BELS(建築物エネルギー性能表示制度)とは
BELSとは?

BELS(ベルス)とは、建築物省エネルギー性能表示制度のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度です。
平成28年4月より、対象範囲が住宅に拡充されると共に、建築物省エネ法第7条に基づく建築物の省エネ性能表示のガイドラインにおける第三者認証の1つとして運用が開始されました。
国のお墨付きが与えられる省エネ性能表示制度であり、新築だけでなく既存住宅についても評価・表示が可能ですので、建物の省エネ性能、資産価値を示すひとつの指標となります。
※BELS[ベルス]とは Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略称です

評価・表示される性能
BELSは、一次エネルギー消費量の基準値からの削減率や基準への適合可否、性能(BEI)に応じた5段階の★マーク等で表示されます。
評価に用いられる指標及び手法は、外皮性能および一次エネルギー消費量によることを基本とし、その評価方法は省エネ基準によります。
BELSで評価される性能

①外皮性能(性能基準・仕様基準)
②一次エネルギー消費量(性能基準・仕様基準)
BELSの一次エネルギー消費量は、給湯設備、暖房設備、冷房設備、換気設備、照明設備が消費するエネルギーを合算して算出します。
※設計・基準一次エネルギー消費量には、家電等その他エネルギー消費量は含まれません。
【一次エネルギーとは】
火力・水力・太陽光など、自然から得られるエネルギーのことを指します。(一次エネルギーを変換や加工し、都市ガス、電気など利用しやすい形にしたものが二次エネルギーです)

BELSで表示される性能
▲兵庫県I様邸例
① BEIに応じた★マーク
建物の省エネ性能を表示するのが★の数です。BEI値によって5段階で表示されます。
BEIは、「基準一次エネルギー消費量」に対する「設計一次エネルギー消費量」の割合のことで、BEIの値が小さいほど、省エネルギーです。
BEI : 設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量
BEI:Building Energy Index BEI=1.0は省エネ基準と同等の水準です
★★★★★ | BEI ≦ 0.8 |
★★★★ | 0.8 < BEI ≦ 0.85 |
★★★(誘導基準) | 0.85 < BEI ≦ 0.9 |
★★(省エネ基準) | 0.9 < BEI ≦ 1.0 |
★(既存の省エネ基準) | 1.0 < BEI ≦ 1.1 |
※外皮基準は判断基準に含まれません
※一次エネルギー消費量の仕様基準は★★です
ヤマト住建はBELS全棟標準です
※建物の仕様・プランによって数値は異なります。評価・表示を保証するものではありません。
② 基準からの削減率
削減率=(1-BEI)×100で計算されます。
③ 設計一次エネルギー消費量
設計・基準一次エネルギー消費量を表示します。 ※家電等その他エネルギー消費量は含まれません。
④ 建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)への適合可否
一次エネルギー消費量、外皮性能の「建築物エネルギー消費性能基準(以下「省エネ基準」)」への適合の可否を記載。
⑤ UA値またはηAC値
外皮基準においては、住戸部分のUA値またはηAC値を記載することが可能。
⑥ ZEH、Nearly ZEH、ゼロエネ相当マーク
「ZEHマーク」+「ゼロエネ相当の表示」の住宅が『ZEH住宅』、「ZEH」マークのみ表示の住宅が『Nearly ZEH住宅』と認定されます。

平成29年4月から、『ZEH』表示スタート!

ZEHの基準を満たした住宅には「ZEHマーク」を表示できるようになりました。
『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)』とは…
「省エネ」と「創エネ」の効果を組み合わせて「住まいの年間一次エネルギー消費量」を正味(ネット)でゼロ以下にする住宅のことです。

「ZEHマーク」と、外皮基準及び一次エネルギー消費量水準
表示項目 | 外皮基準 | 一次エネルギー消費量水準 | ||
---|---|---|---|---|
評価書 | 表示マーク | 再生可能エネルギー除き | 再生可能エネルギー加え | |
『ZEH』 | ZEHマーク ゼロエネ相当 |
UA値 1、2地域:0.4[W/㎡K]以下 3地域 :0.5[W/㎡K]以下 4〜7地域:0.6[W/㎡K]以下 |
基準一次エネルギー消費量から20%以上の削減 | 基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減 |
Nearly ZEH | ZEHマーク | UA値 1、2地域:0.4[W/㎡K]以下 3地域 :0.5[W/㎡K]以下 4〜7地域:0.6[W/㎡K]以下 |
基準一次エネルギー消費量から20%以上の削減 | 基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の削減 |
ゼロエネ相当 | ゼロエネ相当 | 省エネ基準 | 基準一次エネルギー消費量から20%以上の削減 | 基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減 |
【↑表は右にスライドしてご覧頂けます】
※再生可能エネルギーを導入するものとする(容量不問)。
※一次エネルギー消費量の対象は、暖冷房、換気、給湯、照明とする。
※再生可能エネルギー量の対象は敷地内(オンサイト)に限定し、自家消費分に加え、売電分も対象に含めることとする。
平成29年度からZEHの補助金申請にも活用
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業」では、申請する住宅は建築物省エネ法第7条に基づく省エネ性能表示(BELS等、第三者認証を受けているものに限る)を事業期間内に取得し、補助金対象事業実績報告時に提出できることを交付要件としています。

ヤマト住建は、
BELS評価書取得施工者において
評価書取得件数、全国6位(2021年5月末現在)
3省連携の取り組み
経済産業省・国土交通省・環境省は連携して、ZEH住宅に対して補助金制度を設けています。
【戸建て住宅の省エネ・省CO2化に向けた3省による支援制度】
ZEH+ | ZEH | LCCM住宅※1 | ||
---|---|---|---|---|
担当省庁 | 経済産業省 | 環境省 | 国土交通省 | |
補助事業名称 | ZEH+実証事業 | ZEH等による低炭素化促進事業 | サステナブル建築物等先導事業 | |
対象となる住宅 | 注文戸建住宅における より高性能なZEH(ZEH+) |
注文住宅におけるZEH | ライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅 | |
ZEH基準 | 一次エネルギー 消費性能 |
太陽光を除く一次エネルギー消費量が | ||
省エネ基準の▲25% | 省エネ基準の▲20% | 省エネ基準の▲20% | ||
外皮性能 | 強化外皮基準 (その他の要件などで「外皮性能のさらなる強化」を選択した場合を除く) |
強化外皮基準 | 強化外皮基準 | |
創エネ量 | 太陽光発電などにより正味ゼロエネルギーとなる | |||
その他の要件など | 以下のうち2つ以上を実施 ・外皮性能のさらなる強化 ・高度エネルギーマネジメント(HEMSなど) ・電気自動車への充電 |
– | ・LCCO2評価の結果が0以下となるもの ・CASBEE B+ランク以上、または長期優良住宅認定されたもの |
|
Nearly ZEH+※2(寒冷、低日照、多雪地域)も可 | Nearly ZEH※2(寒冷、低日照、多雪地域)、ZEH Oriented※3(都市部狭小地)も可 | |||
補助額 | ZEH | ZEH+の場合は定額115万円/件 | 定額70万円/件 | 上限125万円/件 かつ、掛かり増し費用の1/2以内 |
蓄電池 | 蓄電池3万円/kWh (上限45万円かつ、補助対象経費の1/3) |
蓄電池3万円/kWh (上限30万円かつ、補助対象経費の1/3) |
||
採択方式 | 事前枠付与方式※4 | 先着順※5 | 事前枠付与方式※4 |
※1 LCCM住宅:建設時、運用時、排気時における省CO2の取り組みや再生可能エネルギーの創出により、ライフサイクルを通じてのCO2の収支をマイナスにする住宅
※2 Nearly ZEH+、Nearly ZEH:再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の一次エネルギー消費量を削減(他の要件はZEHと同様)
※3 ZEH Oriented:再生可能エネルギーを加味しない(他の要件はZEHと同様)
※4 事前枠付与方式:事業者が建築予定戸数を提案し、採択された戸数の範囲内で要件を満たす住宅に対して補助を受ける
※5 先着順:事業者は建築主の決まっている住宅について応募し、要件を満たしていれば先着順に採択される
ZEH+(ゼッチプラス)とは…
経済産業省では、2020年度までの取り組み計画として、より高度なZEHとして「ZEH+(ゼッチプラス)」を定義しました。
ZEH+は、さらなる性能向上を目指したZEHの上位目標と言える基準で、
従来のZEHよりもハイレベルな省エネ性能が求められ、省エネの深堀りとともに、太陽光発電の自家消費拡大を目指しています。
ZEHとZEH+が分かれることで補助金事業の不毛な競争を避ける事ができ、ZEHに興味がある住まい手にとって良い環境と言えます。
ZEH+実証事業は、将来の更なる普及に向けて供給を促進すべきZEHとして、現行のZEHより省エネルギーをさらに深掘りするとともに、設備のより効率的な運用等により太陽光発電等の自家消費率拡大を目指したZEHの実証を支援するものです。
ZEH+の外皮性能基準(追加要件)は、HEAT20のG2レベルに概ね近い値です。
■外皮平均熱還流率:UA値
HEAT20 G2をクリアできる住宅です!
1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | 8地域 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HEAT20 G2 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | ― |
HEAT20 G1 | 0.34 | 0.34 | 0.38 | 0.46 | 0.48 | 0.56 | 0.56 | ― |
ZEH+※1 | 0.3以下 | 0.4以下※2 | 0.5以下 | ― | ||||
ZEH+ | 0.3以下 | 0.5以下 | 0.6以下 | ― | ||||
ZEH | 0.4以下 | 0.5以下 | 0.6以下 | ― | ||||
平成25年基準相当 (Q値)※3 |
0.46(1.6) | 0.56(1.9) | 0.75(2.4) | 0.82(2.7) | ― |
※1 選択要件としての追加要件
※2 前提措置として、4地域及び5地域についてはUA値が0.5以下であれば選択要件として満たすものとする
※3 ()内は住宅熱損失係数Q値[W/(㎡・K)]